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弁護士に聞いた!お金のトラブルQ&A

10月17日は「貯蓄の日」。
1952年に日本銀行がお金を無駄遣いせずに大切にしようという意味を込めて制定した記念日だそうです。
そんなこの日に、誰にでも身近に起こりうる“お金のトラブル”で良くある事例とその解決方法を、「及川雄介法律事務所」の及川 雄介弁護士にお聞きしました!

トラブル① 貸したお金を返してもらえない!

友人に頼み込まれて夫に内緒で貯めていた150万円を貸したのですが、返してもらえません。その友人が勤務している会社を辞めて退職金を元手に事業をしようと考えているという噂を聞きました。事業が失敗したらと考えると、早くお金を返して欲しいのですが…どうしたらいいでしょうか?

及川弁護士:基本的には民事訴訟を提起して、判決を得た後、めぼしい財産に強制執行(差し押さえ)する事になります。しかし判決を得るまでに通常数ヵ月はかかるので、その間に債務者が退職して事業を始めてしまうと、めぼしい財産がなくなってしまう危険があります。

このような緊急を要する場合には、退職金請求権を仮に差し押さえる事が出来ます。分かりやすく言えば、資産凍結の状態にしてしまうという事です。ただしその場合には、裁判所に仮差押の申立をして、一定の担保金を供託する事が必要となります。担保金は、民事訴訟で勝訴するなどすれば戻ってきます。

仮差押は数日で発令され、短期間に相手の動きを封じ込める事が出来る強力な制度ですが、ある程度の知識も必要なので、お近くの弁護士に相談される事をお勧めします。

 

トラブル②兄弟に母のお金の管理を任せていたが、通帳と印鑑を返してもらえない

父に先立たれた母。年を取って忘れっぽくなってきたので、兄にお金の管理をしてもらおうと通帳と印鑑を渡しましたが、その後、母が預金がいくら残っているかと聞いても大丈夫だからといって教えてくれないそうです。長女の私としては、どうしたらいいでしょうか?

及川弁護士:お金の管理をしてもらおうと通帳と印鑑を渡すのは、法的には「委任契約」という類型にあたります。委任契約はいつでも解約出来ると民法651条が定めています。
従って、お母さんがお兄さんに「お金は自分で管理するから通帳と印鑑を返して欲しい」と言えば、法的には、お兄さんは従わざるを得ません。

しかし、お兄さんがどうしても返してくれない場合、お母さんが通帳と印鑑を返す為の裁判を起こす事も可能ですが、現実的な対応としては、銀行に通帳を再発行してもらって、届出印を変更してしまう方がスピーディです。 

預金取引履歴(明細)で不審なお金の動きがあった場合、お兄さんに説明を求める事が必要ですが、お母さんとしては親子間で上手く言えないという事もあるでしょう。場合によっては、裁判所の調停手続や弁護士会のあっせん手続を利用する事も一つの手です。

また、お母さんの判断能力が落ちていれば長女の方が動かざるを得なくなる事もあるでしょう。しかし、当事者でないので動きにくいと思われます。その場合、法的には、お母さんの判断能力の衰えの程度に応じて、3種類の「成年後見制度(補助・保佐・後見)」があります。

お母さんや長女の方から、お兄さんへ財産管理の中止をストレートに求めにくいとしても、裁判所が申立を認めて成年後見の決定をする事で、お兄さんの財産管理権を消滅させ、または制限する事も可能となります。

 



今回ご紹介した「お金」のトラブルはほんの一部。私達の生活に欠かせないものだからこそ、法律や金融に関する知識をある程度持っておく事も必要ですよね。もし分からない事があったら弁護士に相談してみるのも良いでしょう。
トラブルは大きくならないうちに解決して、お金と気持ち良く付き合いましょう♪

【ビズプロ編集部】
 

取材協力

及川雄介法律事務所
及川 雄介 弁護士
住所:仙台市青葉区一番町2丁目10番26号 旭コーポラス一番町A404
TEL:022-225-8198
URL:http://www7b.biglobe.ne.jp/oikawa/

 

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