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誰かに話したくなる「仙台の冬の暮らしの歴史」

寒い冬は暖かいコートやセーターを着て、部屋では暖房をつけぬくぬくと過ごす…そんな快適な生活が当たり前の現在ですが、昔の人は一体どのような暮らしをしていたのか皆さんは御存知ですか?
そこで今回は、仙台のちょっとびっくりな冬の暮らしについて、仙台市歴史民俗資料館の畑井さんに教えていただきました。

昔の人はどうやって冬の寒さをしのいでいたの?

―現在は暖房などの普及により冬でも暖かく過ごす事が出来ますが、昔の仙台の人々は冬の寒さをどのようにしのいでいたのでしょうか?

畑井さん:かつての家は気密性が低かったので、現在のように部屋全体を暖めるという事が出来ませんでした。その為、自分の手元が暖められれば良し、という考え方がごく普通の事だったのです。木炭を燃やす火鉢やこたつで冷える手足を暖め、家の中でも綿の入った着物を着こみ、首元にもマフラーを巻くように布を巻いて、今から考えるととても寒い部屋の中で過ごしていました。

 
▲「やぐらこたつ」中で炭を燃やし、この上に布団をかけて使っていたそう。

もちろん、服装も今と全く異なります。当たり前に着ている毛織物のコートや、毛糸で作るセーター、マフラーなどは明治時代以降に使われるようになったもので、それまでは冬になると袷(あわせ)の着物に薄く「わた」を入れて「綿入」に仕立てた着物で過ごしていました。冬が終わり暖かくなれば「わた」を抜き、四季を通して着物を使いまわす事も多かったようです。

昭和30年代以降になると、火鉢に代わって電気や石油のストーブが一般的に使われるようになってきました。住宅にもアルミサッシなど気密性の高い建材が使用され、部屋全体を暖める事が出来るようになり、家の中は以前よりもかなり暖かくなりました。
衣類も昭和30年代以降にはポリエステルなどの合成繊維が登場し、その後も軽くて保温性の高い衣類が普及するようになり、現在に至っています。

 
▲「二重回し」別名「とんび」とも呼ばれる外套(がいとう)で、着物の上から着る事も出来たそうです。

 

まるでハロウィン!?仙台で古くから伝わる「チャセゴ」とは

―先人の知恵が、今の暮らしに活かされているのが分かりますね~。この他に、仙台ならではの冬の習慣があったら教えていただけますか?

畑井さん:仙台では、小正月の時に子ども達が近隣の家々を回ってお菓子や小銭をもらう「チャセゴ」という風習が昭和30年代頃までありました。現在流行しているハロウィンのような仮想をしたりする事はありませんが、家々をまわって何かをもらう、という点ではよく似た行事になります。

また、最近はお正月飾りを年末の早いうちに取り付けますが、かつては12月31日の大晦日の日に取り付ける事が一般的でした。
お正月の神様は大晦日の日暮れとともにやってくるので、その前までに飾り付けておく必要があるのですが、昔は大晦日の早朝に家の当主が沐浴などをして身を清め、しめ縄などお正月飾りを作り、門松を立てていました。
今では考え方も変わってきて、お正月飾りはもっと早く済ませるようになっています。

―仙台にハロウィンに似た行事があったなんて…初めて知りました!
現在のような冬用衣類や暖房器具が無かった時代、人々は様々な工夫をこらして冬の寒さを乗り越えてきたのですね。


 



仙台市歴史民俗資料館で11月18日(土)より開催される「特別展 Winter Life in Sendai ~仙台の冬のくらし~」では、かつての仙台の人々が冬の暮らしで使っていた火鉢や湯たんぽなどの道具のほか、スキーやスケートなど冬に楽しむスポーツ、冬の年中行事などについても学ぶ事が出来ます。もっと知りたいという方は是非会場へ!

【特別展 Winter Life in Sendai ~仙台の冬のくらし~】 


■期間:
11月18日(土)~2018年4月15日(日)
■場所:仙台市歴史民俗資料館(仙台市宮城野区五輪一丁目3-7)
■料金:無料(※ただし入館料がかかります。)


【ビズプロ編集部】

 

取材協力

仙台市歴史民俗資料館 学芸員 畑井洋樹さん
住所:仙台市宮城野区五輪一丁目3-7(榴岡公園内)
TEL:022-295-3956
URL:http://www.city.sendai.jp/kyouiku/rekimin/
入館料:一般・大学生240円/高校生180円/小・中学生120円


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