episode:ナノレベルの研磨技術“磨きの職人集団”

株式会社エヌエス機器

医療機器、半導体装置、さらには航空機部品などの
複雑形状の研磨技術において、ナノレベルの技術を達成。

会社設立のきっかけを教えてください。

阿部社長:元々勤めていた会社で営業をやっていたものですから、それなりの実績があったので、自分でやろうかなと思い脱サラして1986年に会社を設立しました。最初は技術のいらない労働集約型の仕事から始めました。毎年どんどん仕事も増えていったので、従業員も増やしながらと順調でしたね。一番多い時で(外注,内職含め)300人を超えていました。しかし、15年前程前に労働集約型の仕事はアジアへ持って行けば出来るという社会情勢になり、フィリピンに仕事の半分を持って行かれたんです。その後だんだんと減っていき、このままだと仕事が無くなってしまうと思ったので、車のオートアンテナや携帯のアンテナ製造の仕事を入れたんですね。そしたら今度はアンテナレスの時代になってしまって。そんな時、たまたま日本ダイカスト協会の理事長をされていた方の会社と縁があり、検査の仕事をいただくようになりました。当社はその中の「磨き」の部分に注目して、バフ屋さん(研磨加工を行う企業)に行き技術を見よう見まねで覚えてきて。ダイカスト(※)の携帯電話部品を仕上げていくという仕事を始めました。多い時だと、月に50個位作っていましたね。
※ダイカスト…金型鋳造法のひとつで、金型に溶融金属を加圧注入する鋳造法。

ナノレベルの研磨技術を習得したきっかけは?

阿部社長:研磨加工にも鏡面やサテンなどいろいろな仕上げ方法があるんですけれども、たまたまある大学の3D金属の形状を作る技術を研究している所から、「磨きをやってほしい」と言われまして、それも医療機器10ナノ以下にしてくださいと言われて、それがナノとの出会いですね。とにかく、磨き方や研磨剤の配合などを試行錯誤して、10ナノ以下の加工技術の習得に至りました。

この仕事の一番のやりがいを教えてください。

小林さん:私は、管理課という人や製品などを管理する仕事を行なっております。なので毎日同じ仕事ではなく、あちこちを見る大変さはありますが、いろんな所に携われるという所にやりがいを感じますね。
沼倉さん:製品を加工してお客様に出した時に、「エヌエスさんの技術はすごい」とか、「きれいすぎる」というお誉めの言葉をいただいたり、自分達の技術を認めていただいた時はものすごく嬉しいですね。
阿部社長:お客様から、「エヌエス機器さんに頼んで良かった」とか、「エヌエス機器じゃなきゃだめだね」と言っていただいた時は嬉しかったです。

航空用タービンブレードの仕上げ加工も行なっているそうですが?

阿部社長:みやぎ工業会の中で、宮城県に航空機産業を入れようという取組に参加させていただいたんです。その中で、ある企業から航空機用タービンブレード(※)を磨いているという話をお聞きして、5年の歳月をかけ一から勉強して試行錯誤の末ようやくタービンブレードの受注を受ける事ができました。医療機器を磨く技術も難しいのですが、タービンブレードは一般的な技術だけでは磨けないんですよ、この技術を習得するまでが本当に難しかったですね。
※タービンブレード…飛行機を動かすために利用されるタービン(羽根車)に組み込まれている1枚1枚の羽根のこと。

今後行なっていきたい事

阿部社長:戦闘機やロケットなどの航空業界でいろいろな分野に羽ばたいていけたらと思いますね。技術があってこそ携われると思いますので、そこを目指していきたいと思っています。

20年後、どんな会社になっていると思いますか?

沼倉さん:20年後は技術も今より更に磨かれていると思いますので、「磨きの職人集団はエヌエス機器」と広く認知されているようになっていればいいなと思います。
小林さん:メイドインジャパンではなく、「メイドインエヌエス」と言われるようになっていけたら、おもしろいですよね。
阿部社長:「私の跡取りは家族」というようには必ずしも考えていませんので、社員にはこれからもがんばってもらいたいし、高い技術を持った会社を作ってもらいたいですね。

株式会社エヌエス機器
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