episode:光ファイバーが人々の暮らしを照らす

株式会社ミウラセンサー研究所

現在まで400種以上の装置開発を手掛けている株式会社ミウラセンサー研究所の、
「光」と歩んだ30年間に迫ります。

なぜ「光」にこだわったのか?その始まりを教えて下さい。

昔から、はんだごてを使って回路を作ったりする事が好きでした。アマチュア無線をやっていたという事もあり、大学では自然と電気工学科に入り、光通信を行っていました。その中で発光ダイオードに出会ったんです。熱を持たずに光る事に、ものすごく興味を持ちました。それが「光」との出会いでしたね。

独立したきっかけは?

2つの大学で計8年程お世話になりましたから、就職したのが26歳の時だったんです。大学は留年していたという事もあり、就職活動はほとんど落ちました。面接までもいかなかったですね。結局、大学でお世話になった先生が会社をやっていたという事もあり、そこに26歳の時に就職しました。その会社では、車の衝突試験や航空機材料のひび割れ試験などの応力計測をメインに行っていました。もともと当時の社長に「4年働いたら独立しなさい。」と言われていた事もあり、4年間働いて、30歳の時に会社を辞め、1984年に個人で創業しました。独立したきっかけは、光ファイバー変位計を発明した事ですね。自動車の中にある継手パイプ部分が、振動でひび割れするんですよ。そうすると、年に何十件かリコールされてしまう。ひびわれの原因となる異常な振動を計測してほしいというお客様からの依頼があり、前の会社でも光ファイバーと発光ダイオードを使った仕事をやっていたので、技術は持っていましたから、それを応用して異常な振動を検知するセンサーを発明しました。独立当時は、試作品全てが私の生活の糧でした。光ファイバーに感謝です。

発明にあたって苦労した点はありますか?

実験ですね。データ取り。原理は簡単なんですよ。ファイバーを2本束ねる。1本に光を入れて、もう1本にはディテクター(光を検知する装置)を入れます。反射面があると、光が反射して、もう1本の方へと入りますよね。それでディテクターが光量を検知するという仕組みです。この距離が近いと反射率が高くなり、離れると低くなる。この仕組みで異常な振動が測定できるんです。少ない物では1μm程の微小振動を感じないといけません。
実機試験前に計測環境の整った大学や試験センターから設備を借り、データ取りや再現性などの仕様を満足させるため、幾度となく通いました。今日は何か調子が良いな、ではだめなのです。常にうまくいくように、相手の要求にどう応えていくか、日々思考する事が大切です。だからこそ、出来た時はものすごく達成感を感じますね。今では、発想とアイディアは寝ている夢の中でも拾えるようになりました。

有害物質の検出も行っているそうですが?

2007年に冷凍イカの切り身内の金属異物片をX線で検査していた時、量販店で買った土鍋料理の際ドロドロした鉛ができて新聞で大騒ぎになった事がありました。中国製の商品に、有害な物質が入っている可能性があるという事が判明したんです。タイムリーでしたが、このX線で有害元素が調べられると思いました。ただし、小型で安価に、一般の人でも使えるような簡単な操作で。その後も中国製冷凍餃子や肉まん、コメ、粉ミルク等に農薬や異物混入例が後を絶たないため、有機物質の検査も行えるようラマン分光を追加し、「Denbeeシリーズ」の開発を行いました。2011年の東日本大震災時には、社員に沿岸浸水地域の泥を採取してもらい、検査をしました。もし工場から流れ出たカドミウム、ヒ素鉛等が汚泥に含まれていては大変です。幸いなことに塩分や鉄分のピークがありましたが、有害元素はありませんでした。食品に限らず含まれる元素成分を調べると、作られた経過や環境も推測できるのです。こんなに素晴らしい装置を作っていますので、もっと当社商品をアピールしなければなりませんね。

今後、何を見たいですか?

見たいけれど、見ることができないという限界があるんですよね。それはどうしても今の技術では見えないものがあると。というよりも、まだ分からない方が多いんですよ。ですが人間に見えない領域でも、装置の感度が高くなれば、もっと分からないことも分かるようになる気がするんです。それを試してみたいと思っています。これまでもいろいろな物を計測してきましたから、それをどのように活かせる事ができるという手段は大体分かってますので、これからは見えない物を見ることができるような環境を用意していきたいと思います。

最後にビズプロ・クロスをご覧になっている皆様へ

被災者に対する支援は自分の会社を犠牲にしてでもやり終えたので、今度は自分達が利益につながる様な仕事ができれば一番いいなと思っています。その為には地元企業で協力し合うものはし合って、できるだけ話し合いをする場所を多く持って協議をしていければいいなと思っています。

株式会社ミウラセンサー研究所
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