episode:牡鹿の美味しさと夕陽を堪能できる宿

割烹民宿めぐろ

東日本大震災の影響で一時休業していたが、2014年6月にリニューアルオープン。
地元で獲れた新鮮な海の幸を堪能でき、海岸に面した宿から眺める夕陽は絶景。

民宿の誕生のきっかけを教えてください。

祖父の代から小渕浜で呉服店を営んでおり、呉服屋以外にも花屋やお米屋、更には金魚屋をやったりと、いろんな商売をしていました。しかし祖父が亡くなり、その息子である父が呉服店を辞めて民宿を建てようと言い出したんです。最初、家族はみんな反対でしたね。当時19歳だった私も小学校の先生になりたかったので、民宿を建てられたら、いずれ自分が継がなきゃいけなくなると思って(笑)。結局、父が反対を押し切って1993年(平成5年)12月に「割烹民宿めぐろ」を創業しました。『割烹民宿』という名前はなかなか他にはありませんし、他の民宿と差別化するために父が付けました。漁師をやりながら民宿を営むというのがこの地域の民宿のスタイルですが、うちは行商だったので、板前を1人雇い、きちんとした割烹をお客様にご提供できるようにしたんです。
民宿の創業時にまだ大学生だった私は、石巻専修大学を卒業後、仙台市の建設機械リース会社に入社し2年間勤めた後、親戚の家の塗装会社、自動車会社の営業を経て、27歳の時に今の奥さんと結婚して民宿を継ごうと決心したその矢先、胃がんになってしまいまして。早期発見だった事もあり、無事手術も成功、2000年(平成12年)から療養しながら民宿の手伝いをするようになったのですが、ある程度民宿の仕事の環境が出来ている所に私が入っても、雑用しか出来ないのではないかと悩んでいました。震災後、板前が独立したことで、代わりに調理を担当し自分の居場所というものが出来たような気がします。その中で、改めて民宿の仕事の楽しさに気付く事が出来ました。

「割烹民宿めぐろ」ならではの特長を教えてください。

牡鹿半島のメインは、夕陽なんですよ。ぜひ夕陽を見て感動して帰っていただきたいんです。お客様には「『キンキのみぞれかけ』が食べたくて来たんです」とよく言われますね。創業からずっと出している料理なのですが、宮城県産のキンキを2度揚げして、大根おろしのみぞれ汁をかけたものです。
一番は、来てくださった方に最後は笑顔で帰ってもらいたいという想いがありますので、お客様とアットホームにお話が出来たら嬉しいですよね。今後も、この民宿から牡鹿の魅力を伝えていきたいです。

東日本大震災当時、どのような状況でしたか?

震災では、民宿のすぐ下まで津波が押し寄せました。幸い、民宿は浸水被害がなかったので避難所として開放し、50人程の地元住民が避難していました。最終的に、その年のお盆くらいまで20人が避難生活を送りました。更に仮設住宅を建設する業者さんから泊めて下さいというお話があったので、1階で避難所をやりながら、2階に業者さんを泊めていました。
お盆が終わりある程度落ち着いてから、震災の被害で少し傾いていた所とお風呂を直そうと、10月から11月の間、民宿の改修工事をしました。その間民宿はお休みにしていて、11月に営業を再開。その後、2013年(平成25年)からまた8ヵ月の大規模改修工事を行った後、2014年(平成26年)に正式に民宿の営業を再開する事が出来ました。

震災前と後で変化した事はありましたか?

今までは昼間の宴会、法事関係の仕事がメインでしたが、震災以降減少しています。ボランティアで来て下さったお客様がいろんな人に民宿の事を言ってくれたり、ブログなどで紹介してくださるので宿泊するお客様が増えてきて本当に嬉しいですね。

今後、どのような民宿にしていきたいですか?

以前のように、多くの観光客に来ていただきたいです。牡鹿半島は御番所公園からの眺めもいいし、本当に良い所なんです。なので、ここにしかない特性、ここでしかできない体験を地域で見つける活動をしていきたいと思っています。

20年後のビジョンを教えてください。

来てくださったお客様全員が、笑顔で帰っていただけるような民宿でありたいと思います。今のサービスを更に磨いていく事が牡鹿の中で民宿を営むには一番必要な事だと思っていますし、それが、自分がこの仕事をやっている中での楽しみなんじゃないかなと思っているんです。まだまだ未熟な所もありますので、自分自身も成長して、「あの頃自分が思っていたよりは成長したな」と思えるようになりたいですね。

割烹民宿めぐろ
〒986-2415 宮城県石巻市小渕浜カント2-1
TEL:0225-46-2515 FAX:0225-46-2728
HP:http://oshika-meguro.com/