episode:経験と実績を積み重ねた「高密度実装」のプロ集団

株式会社アリーナ

最新の「微小チップ(0.2mm×0.1mm)の評価実装」を実現(2016年1月~)。
実装に至るまで、多くの努力や苦悩があった。

会社設立の経緯を教えてください。

高山社長:1970年(昭和45年)に現会長である私の父、高山照敬(てるよし)が、福島県原町市に「八幡電気」を創設したのが当社のはじまりになります。
それまでは町の電気屋さんでした。その頃から父は電化製品に興味があったそうで、1969年(昭和44年)に相馬できた電気部品メーカーのお手伝いをさせていただくようになり、その後、仕事を拡大して受けるようになっていきました。
「八幡電気」という社名は、住んでいる八幡地区の地名からとったものです。1991年(平成3年)には、社名を「アリーナ」に改称しました。女性が多い工場でしたので、これだけ女性が多いのだから、女性が好みそうなやわらかい名前に変えようと考えていた所、たまたま浮かんだ名前が「アリーナ」だったんです。「アリーナ(Arena)」の意味は『競技場』。社員同士、切磋琢磨して競い合えるような会社でありたいという思いが込められています。

主な事業内容は?

高山社長:私たちはSMT高密度実装技術をコアとして、高精密電子部品を製造・生産する会社です。1980年(昭和55年)にテレビのチャンネルを回す「メカチューナー」という部品の製造をスタートさせ、以来通信モジュール、いわゆる携帯電話の部品の製造をおこなってきました。携帯電話が進化していく過程の中で、いかに多く、部品を小さく生産するかという点において我々が注力してきた結果が、現在の高精密電子部品の製造・生産につながっています。
現在は、その技術を応用して製造したBluetoothや無線LANといわれる「高周波部品」が当社の主力になっています。

苦労した点はありますか?

高山社長:「いかに部品を小さく製造するか?」この技術を習得するまでの苦労が我々の歴史と言っても過言ではありません。
これまで、いくつもの電子機器の小型・薄型化による高密度実装の要求に応えてきました。
1983年(昭和58年)頃1.6mm×0.8 mmの部品の実装に成功し、以来、1992年(平成4年)に1.0 mm×0.5 mm、1997年(平成9年)に0.6 mm×0.3 mm、2004年(平成16年)に0.4 mm×0.2 mm、そして2016年(平成28年)1月には0.2 mm×0.1 mmの部品の実装に成功しています。
ほんの0.数ミリの違い。言葉で言うのは簡単ですが、実際に扱うには本当に難しいのです。しかし、出来なければ製品が作れませんので、出来ないという事が決して許されない。どんなことをしても製品を作ろうと今までやってきたものですから、当然失敗もありますし、設備をダメにしてしまった事もあります。その中で一つ一つ失敗と成功を繰り返しながら、実装を可能としてきました。

求めている人材像は?

高山社長:東日本大震災の時に思った事があって。工場は津波の被害はありませんでしたが、地震の影響で設備が壊れてしまいました。精密な部品も扱いますので、少しでも壊れてしまうと部品が製造出来なくなってしまうんです。それを、わずか10日で復旧させました。それで、社員に製造を再開するので集まってくださいと言って来てくれたのは、たった4分の1。私は、工場が元通りになればみんな来てくれるだろうと誤解していたんですよね。社員一人一人には生活がきちんとベースとしてあって、その上で会社が成り立っている。毎日会社で仕事をして、家族と過ごす。震災でそれが出来なくなった時、それが当たり前ではなかったことに気付きました。新入社員に毎年必ず、「君たちはどうして働くんですか?」と聞きます。働かなくても生きていける人って今の時代たくさんいるんですよね。その中でも、ここで働きたいとこの会社の門を叩いてくれる人がいます。そんな彼らに、働く事に対して一度「私はこういう理由でここで働くんだ」という事を納得して欲しくて。ただ漠然として働くのではなく、理由を探して欲しい。その理由が探せる人が、この会社の求める人材ですね。

環境保全活動に力を入れられているそうですが?

高山社長:今年、ISO14000を取得する予定です。企業の目的は、利益の追求と地域貢献だと私は思っています。会社が福島県相馬市にある意味、この場所に生かされて成長していく事を考えた時に、当然のことながら地域貢献は外せません。ですから社員も地元の方を積極的に採用しますし、これからも福島県相馬市に対して出来る事をやっていきたいと考えています。

今後行なっていきたい事を教えてください。

高山社長:これまでも、我々のモチベーションである新しい技術、世界には無い技術に挑戦し続けてきました。今後も技術の挑戦を続けていくとともに、現在の会社の形を未来に繋げていくという事が私の役目だと思っているんです。社員のみんなと一緒に、この会社を続けていく。続けるというのは大変な事だと思いますが、だからこそ、よりいっそう力を入れていくべき所なのかなと感じている所です。

20年後、どのような会社になっていると思いますか?

高山社長:10年前からすると、現在の技術って想像つかなかったじゃないですか。だからこの先の20年後はもっと素晴らしい技術で製品が出来ていると思うんです。20年後はおそらく自動運転車も実現されていると思うので、その中に当社の技術が採用されていて欲しいですね。
氏家さん:今いる若い社員達が、20年後にある技術に向かって、従業員一丸となって挑戦し続けていて欲しいと思っています。
半田さん:当社は表面実装で培われた技術で現在0.2 mm×0.1 mmというサイズまでの部品の実装に成功しています。20年後はさらに電子デバイスの製造が加速していっているはずだと思うんです。これからもさらに技術を磨いて「表面実装ならアリーナだね」と言っていただけるような会社をこれからも目指していきたいです。

ビズプロ・クロスをご覧になっている皆様へ

高山社長:この国で、“メイドインジャパン”というブランドをつくりあげてきたものづくりの先輩方がいて、それを今引き継いでいるのは我々の世代。現在ものづくりをされている人達の中でも、もう一度“メイドインジャパン”をつくりあげていこうと思っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。東北は震災もありましたし、ものづくりがどんどん海外に流出している中で、やはり頑張っていかなければならない地域だと思うんですよね。
東北の企業は、仕事を任されれば必ずやり遂げる技術と心意気を持っていると思うんです。その魅力を武器に、今後も東北の企業のみなさまと一緒にものづくりをしていけたらと思っています。

株式会社アリーナ
〒976-0006 福島県相馬市石上字宝田69
TEL:0244-36-0111(代) FAX:0244-36-2435
HP:http://www.arena-net.co.jp/