episode:構内PHS通報のオンリーワンを目指して

フェニックスネットワーク株式会社

東日本大震災後の長期停電時も病院や工場で活躍した構内PHSの市場に着目し、
災害時に強い「構内PHS対応安否確認システム」を開発した。

会社を立ち上げたきっかけを教えてください。

なぜ今の仕事をやっているのかという事自体深く考えた事は無いのですが、物を作る面白さは、幼稚園の頃に親戚のお下がりでもらったダイヤブロックがきっかけかもしれないですね。何時間も無言で遊んでいたようです。家電の進歩やテレビ番組と一緒に育った世代のためか、漠然と研究開発職への憧れの様なものが頭の中にあったんだと思います。最初に入った会社の就職面接でも、「うちの会社に入ったらどういう仕事をやりたいですか?」という質問に、『研究職・開発職』と即答したぐらいです(笑)それで京都の制御機器メーカーに就職したものの、結局自分でやろうと考え、1996年、仙台支店配属中に退職。1997年に今の会社を立ち上げました。

創業当時行っていた事業は?

最初は、制御機器メーカー時代のノウハウが活かせる制御プログラムの下請け開発を行っていました。しかし市場は大体分かっていたので、特色の無い下請け会社のままでは行き詰まるなと。その頃、アナログ電話回線を繋げて機械と事務所の間をリモートメンテナンスする事がちょうど走りの頃で、世間にも認知され始めていました。それを何とか無線でできないかと、PHSを使ったPLCリモートメンテナンス用のアダプタ「PHSマルク」を1997年の10月に自社ブランドの1号機として商品化しました。これにより「PHS通信に強い」システム会社というイメージが定着しました。この商品が現在の構内PHS対応安否確認システムの起源とも言えます。

「構内PHS安否確認システム」開発のきっかけは?

2013年の8月頃、南海トラフ地震対策で安否確認がしたいという西日本の商談があった事と、東日本大震災の被災の経験から、他でもニーズはあると思い、自社製品化してみようと考えました。受注した際、開発に着手していればすぐに装置を納めることができる。こうして「構内PHS安否確認システム」を作る決断をしました。ところが、この商談ではお客様の要求事項が当初よりどんどん大きくなり、競合メーカーとの通報装置だけの比較ではなく、交換機を含んだ競争にまで話が広がってしまいました。結局、最後は交換機メーカーさん同士の機能比較となり、当社側の交換機メーカーさんが一部の機能が無いという理由で商談に負けてしまいました。この商談にて装置の概要設計はほとんど完成していたため、タイミングよく公募があった「アベノミクスものづくり補助金」に開発費を申請したのですが、結果は不採択。せっかくなので自費で製品を開発していこうかと思った時に仙台市のものづくり製品開発補助金の紹介をいただき、補助金を申請したら通ったんです。最初の補助金ではなんとか原型試作と最低限の通報を実現する所まで開発し、二次開発で、操作画面や通報機能の完成度を上げていき、最初から作りたかった「SVX400/ANPI」「SVX100/ANPI」「TP401-SX」の3機種を開発することができました。2015年3月に製品のカタログが完成、社内で情報共有できる安否情報サーバーが8月に完成しました。

製品のポイントは?

病院のナースコールで使われている、内線のコードレス電話の規格が構内PHSです。東日本大震災の時は、震災発生の30分後には携帯電話が全く使えなくなってしまったと思うのですが、構内PHSは事業所に交換機とアンテナを張って自家発電で動かすことができ、病院や大規模な工場では震災の後でも構内PHSは使用できました。この災害時に強い構内PHSの通信インフラは、広い事業所での従業員の安否確認システムにも有効活用できると考えました。最近の事業所の内線電話には、無線LANやスマートフォンを利用したIP式の通信が普及しており、構内PHSは以前ほどは注目されていませんが、構内PHSの通報装置市場は競合するメーカーもほとんどありません。マイナーな市場ならいっそのこと、当社で独占してしまおうと考えたんです。従来より得意分野であったFA自動通報用に加え、「安否確認用」という新たな切り口で構内PHSユーザ様へ提案できるようになりましたので、工場用の構内PHSのあらゆる通報ソリューションを提供していきたいと考えています。

今後どのように装置を広めていきたいですか?

「安否確認」を装置開発のキーワードにしたのは、東日本大震災の経験から安否確認が必要と感じたという事と、携帯電話が使えなかったという事実からです。ですから、構内PHSをお持ちの事業者様には絶対におすすめしたいと思っています。今年、名古屋の展示会に出展した際に、ある企業様から携帯電話以外の安否確認の方式を探しているという相談もいただきました。広い工場を持つ製鉄所、製錬所、自動車工場などに装置を是非ご採用いただきたいと思っています。首都直下型地震や南海トラフ地震が懸念されていますので、展示会やメディアへの掲載などで積極的に製品情報や導入メリットを紹介していきたいと考えています。

今後行っていきたい事業は?

将来的には、当社の自動制御技術と通信技術を応用して、LED野菜工場や陸上養殖設備に参入したい、という思いがあります。医・食・住の技術を持つシステム開発会社が今後の主役になりそうな気がしています。例えば、東日本大震災の津波で巨大な池ができ、お米を作る事が出来なくなってしまった田んぼは復旧工事をせず、その地形のまま海水と川の水を引き込んでシジミを養殖するとか、そんな柔軟な発想でビジネスをやりたいですね。これからも、常に「新しい事をやりたい」という探求心は忘れずにいきたいです。

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