episode:人が地球を救う!将来の光が照らしたもの

株式会社ヴィ・クルー

LED照明を利用したバス専用路肩灯、「シャインマーカー」。
「より長く使える物を作りたい。」その思いでゼロから開発・製造を始めた。

会社を立ち上げたきっかけは?

もともとは、父が20年以上前にバスの販売と整備を行う工場を立ち上げたのがきっかけです。工場が出来て何年くらいか経った時、突然「社長をやって欲しい」と言われて、結果的には「これも一つの親孝行かな」と思って会社を継ぎました。そこから分社して、独立してできた会社がヴィ・クルーです。会社の名前は、社員一人一人に募りました。ヴィ・クルー(Vi-Crew)の『Vi』は、「Victory (勝利)」・「Vivace (向上する)」という言葉から、『Crew』は「Crew(仲間)」と「Vehicle(乗り物)」という言葉をかけて造語的に作りました。一言で言うと「成長し続ける仲間」という意味です。会社のロゴマークも社員みんなで意見を出し合って、資源の循環という輪の中で成長し続ける新芽と「vi-crew」の頭文字である『V』をかけたデザインにしました。こうして2006年、会社を設立しました。

「シャインマーカー」開発のきっかけは?

製品の開発は実質2年前程前から始めました。会社の経営理念である「走れば走る程地球を救う車を作る」という目標を掲げた時、身近な所で長くつき合っていけるような商品を作れないかと、バスに取り付けられている路肩灯に目を着けました。従来の路肩灯は、鉄製で、発光部には電球が使用されていたので、年月が経つにつれて腐食してしまうという問題がありました。そこで、長く使える路肩灯ができないかと考えたのが「シャインマーカー」開発の始まりです。発光部に使用したLEDも、当時やっと信号機に取り付けられていた位で、表示用の照明としての役割しかなかったのですが、これを初めて見た時に、私は「将来の光だ」と思ったんです。なら、これを使って商品を作れば、すごいものができるんじゃないかと思いました。しかし、当社はもともとが修理工場ですから、ものづくりのノウハウが全く無かったんです。ただ「やりたい」という思いしかなかったんですよ。なので、技術が分からないながら型をとってみたり、LEDを切ってみたりと自分達で工夫しながら作っていきました。そんな中、宮城県産業技術総合センターと出会い、様々な技術を学びながら試行錯誤の末、2006年に「シャインマーカー」を開発しました。バス会社さんに1個1個手売りで売っていき、そのおかげでだんだんと広まっていきました。しかし、密閉した防水設計にもかかわらず、どうしても水が入ってしまい、その水が抜けなくなり溜まってしまうという不具合が起き、結局商品を全て回収する事になってしまいました。この時は本当にやめようかなと思いましたね。ですが、なぜこの製品を作ったのかもう一度考えた時に、何が何でもここで踏ん張らなくちゃいけないと思ったんです。ならばどのように改善しようと悩んでいた時に、「シャインマーカー」がNHKの番組で取り上げられたんです。それを、ちょうど見ていた大手自動車部品メーカーさんから、是非取扱いさせて欲しいというお話をいただきました。そうしてメーカーさんから不具合の改善方法やものづくりのノウハウを教えていただき、無事全国で取扱いを開始することができました。失敗もあり、一時は会社の存続も危ぶまれるような状況までいきましたが、結果的に逃げないでやってきた積み重ねが、今に繋がったかなと思っています。

新卒採用を積極的に行なっているそうですが?

当社では設立当初から20年間、新卒採用を続けています。毎年欠かさず1~2名採用して、教えながら、育てながらやってきました。手間はかかるけれど、1つ1つの事を1から10まで丁寧に教えています。なので、高校を卒業して会社に入ってきた子でも一人前のプロになってきているし、これからの会社の可能性もどんどん広がっていくと思うんです。毎月、社員へお給料を渡す時に、社員だけではなく社員の家族の方にも読んで欲しいと思い、手紙を書いています。
今の時代って、なかなか家で仕事について語り合う時間が無くなっていると思っているんです。なので、この手紙を読んで、仕事について家庭で話すきっかけにして欲しいという思いで、会社を立ち上げてからずっと書いています。設立30周年あたりにはちょっとした本になるんじゃないですかね(笑)

求めている人材像は?

「仲間を大切にできる人」が絶対条件です。これだけ大きいバスだと、一人じゃ直す事ができないんです。だから個人プレーをやってしまうと、良い仕事に繋がらないし、会社は仲間であると思っているので、仲間を大切にできる人というのがまず一番ですね。次に「向上心のある人」。失敗は誰でもします。当社はバスを扱う特殊な仕事なので、乗用車を何年も扱ってきたベテランの人でも、バスの前では素人になります。だから、うまくいかない事から始まるんです。失敗しても、次こそは絶対うまくやってやろうという向上心は必要ですね。
最後に「常に挑戦し続けられる人」。常に新しい物に対応していく事を大切にしている会社なので、すごく必要な事だと思っています。でも、新しい事をやっていくという事はリスクが大きい訳ですよ。そうなると、一人ではできないので仲間の存在が必要だし、失敗してもめげない向上心が無いと、挑戦もできないっていう事に実は繋がっているんです。

今後行なっていきたい事は?

2016年の4月に「シャインマーカー」をフルリニューアルしようと思っていて、その為に現在動いている所です。一番最初は物を作った事もない会社が思いだけで物を作りました。そこから、大手自動車部品メーカーさんとの取引が始まり、社内にノウハウができ、設計やデザインができるようになりました。今回リニューアルする商品は、自分達で過去の不具合を改善して設計し、本当にゼロから作り出します。「走れば走る程地球を救う車を作る」という目標の為にメーカーになり、デザインや設計が出来るような現場作りを10年間やってきました。なので、ここから先は、本当の意味での車両メーカーになる10年にしようと思っています。その為に、製品開発課、企画営業課、車体整備課に分かれている社内の部門を統合し、「車体整備」一本の会社として力をぐっと集約しようと思っています。今まで製品を作る事に関しての追求をしてきましたが、今度はそれをどこでも通用するレベルに上げていく為に、ものづくりのノウハウや、メーカーさんに育ててもらった品質管理体制を全て統合していきたいと思っています。

最後にビズプロ・クロスをご覧になっている皆様へ

これからの時代は、中小企業が大企業を利用する時代だと思っています。大企業の下請けで中小企業が成り立っているという現実はありますが、我々中小企業というのは常に現場でお客様と接している仕事ですので、お客様のニーズを掴んでいるんですよ。なので、中小企業からの「こういう商品あったらいいよね」とか「こんなのあったらおもしろいよね」というものを大企業と一緒になって考えていければ、従来とは全く違う物を生み出していけると思うんです。大企業が持っているノウハウを活かす時代に入っているような気がしているんです。そういう意味では、ビズプロ・クロスのような企業活動を知ることができるサイトは大事になってくるのではないかと思っています。ただ、せっかく加盟していても、それを活かす取組みをしなければ、ただ待っているだけでは何も変わらないので、ビズプロ・クロスには、企業が自発的に入っていけるような“場”づくりをしてもらえれば面白いんじゃないかな、という気はしています。

株式会社ヴィ・クルー
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