episode:仙台三越の「これまで」と「これから」

株式会社仙台三越

80年余りの歴史を持つ百貨店、仙台三越。
老舗としての伝統を大切に、常に上質で新しい価値を提供し“東北一の社交場”を目指す。

地元の百貨店「株式会社仙台三越」に至るまでの経緯を教えて下さい。

相原さん:1933年(昭和8年)に「三越仙台店」としてオープン、2008年(平成20年)に三越と伊勢丹が経営統合し、株式会社三越伊勢丹が生まれました。翌年の2009年(平成21年)に、ホールディングスという形に会社の組織が変わり、三越伊勢丹ホールディングスの傘の下にそれぞれ独立して店舗を持ちましょうという会社の方針で、地域事業会社「株式会社仙台三越」ができ、現在に至っています。80年余りの歴史がありますが、地元の百貨店として常にお客さまの近くに寄り添い、様々な商品やサービスを発信していく所は変わりません。

東日本大震災時はどのような対応をされたのですか?

相原さん:震災により、本館のスプリンクラーが故障し天井から水がこぼれて水浸しになったり、壁に少し亀裂が入ったりするなど、営業を行うにはお客様の安全を確保できない状況でした。 関本さん:地域に根差した百貨店として地元の皆さまにお役立ちしたいという思いで、震災の翌日から店頭で販売できる商品はないかと缶詰などを販売させていただきました。自らも被災者でありながらもそれぞれの従業員が、力を合わせて支援を行いました。その時にお客様から言われた「お店を開けてくれてありがとう」という言葉は忘れられないですよね。
遠藤さん:「あなたたちも大変なのに本当にありがとうね」という感謝の言葉や「ちゃんとご飯食べてるの?」というお気遣いの言葉とか。お客様も大変な状態なのに、並んでまで買い物に来て下さるという気持ちがこちらもすごく嬉しかったです。それからは毎日、水・食べ物から、リビング用品と毎日お客様の欲しいものが日々変わってくるんです。出来る限り早い時期での営業再開を目指し、復旧を段階的にやりながら毎日全員で取り組んだ結果、4月28日に全館営業再開いたしました。

「元気です!東北」スタートのきっかけは?

関本さん:仙台三越では常に様々な催し物を企画しています。一番長いイベントが「大江戸浅草まつり」と「大京都展」。40年以上行なっています。実際に足を運ばなくても、気軽に人気の観光地の商品が買えるという所が一番の魅力だと思います。三越伊勢丹グループでは、日本のものづくりや技術をお客様に発信していくという取り組みとして、2011年より「JAPAN SENSES(ジャパンセンスィズ)」というキャンペーンを全国で展開しています。
その中で仙台三越としても、震災があったという事もあり、被災地に寄り添う中で販売機会を提供し、東北の技術を全国に発信していこうというコンセプトに基づいて、2014年10月に「元気です!東北」をスタートさせました。1回目は、気仙沼の方々に販売場所をご提供しようということで一緒にやらさせていただきました。これからも、「元気です!東北」を通して東北の魅力や元気をお届けしたいと考えています。

よりよいお店づくりの為に力を入れている事は?

遠藤さん:『東北一の素敵な社交場づくり』をスローガンに掲げ、おもてなし日本一、東北一の品揃えを目指しています。おもてなし日本一を実現する為に、実践の行動として、個人としての行動の1つが「エバーグリーン」、チームとしての行動の1つが「職場の約束」です。「エバーグリーン」は、優秀なスタイリスト(三越伊勢丹グループでは販売員の事をスタイリストと呼ぶ)を表彰し、その方々の接客方法を真似し、どんどん広げていく事を目的とした取組です。三越伊勢丹グループで2011年からスタートし、仙台三越としては2012年から参加しています。選考の基準は、販売力はもちろん、お客様との接し方がとても優れているか、という点ですね。店頭にいる各チームのマネージャーが様々な項目に基づいて推薦し、その中からマネージャーが書いた推薦状を見ながら、店舗の代表を決定し、店舗内で表彰します。最終的には、3月に東京都日本橋にある三越劇場で、一人ひとり大西洋(おおにし ひろし)社長から表彰をいただくんです。

関本さん:三越伊勢丹グループ全体で、選ばれた人を一堂に集めて社長自ら一人ひとりに表彰するという事はなかなかない事だと思うので、やはり自分が今までやってきた販売という仕事に誇りを持てますよね。それが、お客様のご満足に繋がっていけばと。
遠藤さん:「職場の約束運動」は、社内に28のチームがあるのですが、それぞれのチームごとに自分達はお客様の為に何が出来るか考え、改善する点や新しく行なっていきたい事を「約束」として宣言し、1年間それに向かってチーム全員で取り組みます。
さらに、職場の約束運動を行う土台に、もてなしの基本は「笑顔」と2015年から「笑顔訓練」を導入しています。当社では、「3」と「8」が付く日の開店前に音楽を流しながら、ホッピング(舌を上げる力をつけるトレーニング)や顔の筋肉の運動を行なっています。
相原さん:また、東北一の品揃えを目指すべく、小型店「エムアイプラザ」(M=三越、I=伊勢丹)を各地域に出店しています。お客様にたくさん会える機会を作りましょうというコンセプトのもとに三越伊勢丹グループで始まったものです。東北地方では泉タピオ店・古川店・登米佐沼店・山形店の4店舗、そして小型サテライト店(小型売店)が石巻店・大河原店の2店舗です。
また、2013年の開業80周年の時に、お客様がよりお買い物しやすく店内でもっと楽しんでいただけるように、お買い上げいただいた商品をお帰りの際にまとめてお渡しする「ハンズフリーサービス」、「ご自宅への当日配達サービス」、店内外でのお買い上げ品や衣類などをお預かりする「クロークサービス」の3つのサービスを開始しました。

次の100年、どんな“仙台三越”でありたいですか?

関本さん:「株式会社仙台三越」というものをブランド化したいんです。三越伊勢丹グループの一員として、伊勢丹や日本橋・銀座の三越で販売している商品を展開することで、他の百貨店には無い独自性をお客様に感じてほしいですし、もう一方では地域の百貨店として「元気です!東北」といったイベントや小型店の取組などを通して、地域のお客様やお取引先様とどのように連携をとっていくかがこれから非常に重要になってくると思います。
遠藤さん:今の時代、百貨店に来なくても物が買えます。でもだからこそ、仙台三越にしかできないサービスというものを確立していきたい。「仙台三越があるから、私はインターネットでは買わない、三越で買う」と言っていただける位になりたいですね。
相原さん:80年という歴史ある百貨店なので、古くから守り続けてきた良い所はそのままに、これからの時代に合った商品やサービスを提供して、お客様が仙台三越に行きたいと思っていただけるような、勝手に足が向いてしまうような身近な百貨店であり続けたいです。意外と、お客様に三越ってきれいな格好していかないといけないと思われたり、お店に入るのに少し躊躇されてしまったりという事が多いんです。そうではなくて、地域の皆さんの傍に寄り添う百貨店として、それをきちんとお客様に理解していただける様に表現する事も大切ですし、お客様にとって行きたい場所、心の中にいつもある場所と思っていただける場でありたいですね。

ビズプロ・クロスをご覧になっている皆様へ

相原さん:企業様と一緒に地域を盛り上げていけたらなと思っています。百貨店だからこそ、もしかしたら皆さんに何かご提案させていただけるかもしれませんので、是非お気軽にお声がけください!

株式会社仙台三越
〒980-8543 宮城県仙台市青葉区一番町四丁目8番15号
TEL:022-225-7111
HP : http://mitsukoshi.mistore.jp/store/sendai/